【12月27日 AFP】赤十字国際委員会(ICRC)は27日、シリアの首都ダマスカス近郊の反体制派支配地区で政府軍の包囲下にある東グータ(Eastern Ghouta)から、医療スタッフらが救急患者らの避難を開始したと明らかにした。国連(UN)によると東グータからの避難を待つ間に少なくとも患者16人が死亡したという。

 ICRCはツイッター(Twitter)の投稿で、現地の赤新月社(Red Crescent)と共に避難を開始したと明らかにし、患者を乗せているとみられる救急車を写した画像を掲載した。

 別の医療救援団体である「シリア系米国人医療協会(Syrian American Medical Society)」は、重篤な患者29人がダマスカスへの避難を認められたと発表した。27日に4人が移送され、今後数日間で残りの患者も避難する予定だという。

 反体制派最後の要衝の一つである東グータは2013年から政府軍の封鎖下にあり、住民およそ40万人の食料や医薬品の不足が深刻な問題となっている。

 現地の支援団体などは繰り返し人道支援活動の必要性を訴えているが、シリアの人道問題に関する国連の責任者ヤン・エーゲラン(Jan Egeland)氏は先週、少なくとも患者16人が東グータからの避難を待つ間に死亡したと明らかにしていた。(c)AFP