【12月26日 AFP】中国で2002年に見つかった大量の木簡の中に、秦の始皇帝(Qin Shihuang)が国内各地で不死の薬を探すよう命じた布告や、それに対する地方政府からの返答が含まれていることが、最新の調査で明らかになった。

 中国国営の新華社(Xinhua)通信が24日に伝えたところによると、3万6000枚に上る木簡は湖南省(Hunan)の井戸の底から発見されていた。同省の考古学者らが調べたところ、「不老不死の薬」を探せとの始皇帝の命令が記されていたものがあった。布告は辺境の地域や僻(へき)村にも通達されていたという。

 また、この指示に当惑した様子がうかがえる地方政府からの返信が書かれたものも確認された。例えばある村は、そのような妙薬はまだ見つかっていないが引き続き調査していると報告。別の村は、地元の霊山で採取した薬草が不老不死に効くかもしれないと返している。

 中国最初の皇帝である始皇帝が永遠の命に執着していたことはよく知られた話だ。陝西(Shaanxi)省にある始皇帝陵の巨大な地下廟からは実物大の兵士や戦車などの陶像8000体近くが出土しており、死後の世界で始皇帝に仕えるために始皇帝が作らせたとみられている。

 もっとも、不死を求めた始皇帝の願いはかなわず、始皇帝は即位から11年後の紀元前210年に死去している。

 焚書坑儒で思想弾圧を行ったとして悪名高い始皇帝だが、2000年以上に及ぶ中国統一王朝の礎を築いた人物でもある。(c)AFP