【12月25日 AFP】修道服を脱ぎ捨てレギンス姿に──ネパールで23日、尼僧約200人が人身売買問題と男女平等を啓発するため、首都カトマンズから1か月をかけて自転車でインド各地を回る活動をスタートさせた。修道女らは武術の修行をしていることから「カンフー尼さん」と呼ばれており、カトマンズの丘陵地からインド南部を通り、デリー、東部ダージリン(Darjeeling)まで3000キロの走破を目指す。

 尼僧らは、男女平等の促進を目的とした巡礼や自転車による旅を頻繁に行っている。

 尼僧のイエシェ・ラモ(Yeshe Lhamo)さんは、5回目となる自転車巡礼について「女性の権利拡大と環境、人身売買についての意識を高めることが主な使命だ」と述べた。

 南アジアでは毎年、多くの女性や子どもが収入の高い仕事を求めて都市部に集まったり国境を越えたりした結果、奴隷として売られてしまっている。

 ネパールでは2015年に発生した大地震以降、多くの人が家を失い、人身売買の件数が急増している。国の人権委員会の推計では、昨年は未遂も含めて約2万3200件に達した。

 尼僧のジグメ・コンチョク・ラモ(Jigme Konchok Lhamo)さん(23)は、地震被災者の救済活動の最中に人身売買に遭遇したことが辺境地を回る自転車巡礼のきっかけだと述べ、「私たちはみな女性であり、女性でも何でもできるということを伝えたい。女性たちが役に立たないということはなく、売買されるべきではない」と話した。(c)AFP