【12月21日 AFP】欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会(European Commission)は20日、ポーランド政府が進める司法制度改革が法の支配を侵害する恐れがあるとして、異例の制裁手続きに入った。ポーランドのアンジェイ・ドゥダ(Andrzej Duda)大統領は、EUが同改革について「うそをついている」と直ちに反発した。

 欧州委員会はポーランドに対し、同国の右派政権が司法の独立に対する「制度上の脅威」をもたらしているとして、加盟国への制裁を定めたEU基本条約7条を発動した。

 これに対し、ドゥダ大統領は地元テレビ局ポルサット(Polsat)の番組で「ポーランドに関してうそをついている欧州機関の代表が山のようにいる。彼らはうそつきだ。われわれは民主主義の基準を向上させているのに、彼らはポーランドでの変化は法の支配の違反につながるなどとうそをついている」と非難した。

 EUの発表から数時間後、ドゥダ大統領は司法制度改革法案2本に署名し、成立させた。

 ポーランドの野党は、ドゥダ大統領や右派の与党「法と正義(PiS)」率いる政権は「EUとの戦争に向かっている」として大統領の措置を非難した。(c)AFP