【12月15日 AFP】獄中でノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を受賞し、今年7月に中国当局の拘束下で死亡した民主活動家の劉暁波(Liu Xiaobo)氏の妻で、詩人の劉霞(Liu Xia)氏(56)が、深刻な鬱(うつ)の兆候を示す手紙を夫の友人らに送っていたことが分かった。友人らは劉霞氏の健康状態を心配している。

 劉霞氏は、2010年に劉暁波氏がノーベル平和賞を受賞して以降、北京市内の自宅で当局の監視下に置かれたまま7年間にわたって実質的な軟禁状態にある。

 手紙はノーベル文学賞を2009年に受賞したドイツ人作家ヘルタ・ミュラー(Herta Mueller)氏に宛てて、詩の形で書かれたもの。ドイツ在住の反体制派の中国人作家、廖亦武(Liao Yiwu)氏が9日にフェイスブック(Facebook)上で写真を公開した。

「おかしくなりそうだ。あまりに孤独で、大きな声で話をする権利もない。私は植物のように生きている。死体のように横たわっている」と手書きの中国語詩がつづられており、劉霞氏の筆跡と一致しているとみられる。

 廖氏はAFPの電話取材に対し、「この問題を中国政府と話し合うよう西側諸国の政府に強く促し、彼女(劉霞氏)をできるだけ早く解放したいと願って彼女の言葉を共有した」と説明。手紙が届いたのは「最近」だとしつつ、軟禁状態にある劉霞氏がどうやって国外に手紙を送れたのかについては言及を避けた。

 廖氏は劉霞氏について、「鬱を抑制するため薬をたくさん服用している。薬を飲まなければ精神的におかしくなってしまうだろう。卒倒したことも1度ある」と述べている。(c)AFP