【12月15日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は14日、国際オリンピック委員会(IOC)や世界反ドーピング機関(WADA)と協力していくことも視野に入れた上で、ドーピングを指摘されている選手の利益を守るため、法廷で弁護する準備はできていると明かした。

 年末恒例の記者会見に臨んだプーチン大統領は、国家主導のドーピングをめぐり、ロシア選手が2018年平昌冬季五輪への参加が禁止された一方で、個人資格で参加する道が残されていることについて言及し、「われわれがどのようにWADA、IOCとの関係を築いていくつもりかという質問か?私は建設的であることを望んでいる」と述べた。

「われわれが抱えている問題を排除するために、彼らとは冷静に協力していくつもりだ。しかし、もちろん選手たちの利益を守っていくには、民事裁判も含まれる。多くの国際団体がそれを望んでいないことは承知しているが、われわれに何ができる?選手が名誉と尊厳を守るために法廷で立ち上がるのを支援していくしかない」

 ドーピング違反の事実は認識しているとしながらも、プーチン大統領は2018年3月に行われる大統領選を意識しながら、一連のスキャンダルは政治的策略であるとして、「スキャンダルが噴出したのは、ロシア国内の政治日程を見据えてのことであるのは明白だ。彼らが何と言おうと、私はそう確信しているし、そうであることを知っている」と主張した。

 プーチン大統領はまた、ほかの国でもドーピング問題はあるにもかかわらず、「政治的な騒動」には発展していないと不満を訴えた。それでも、「われわれにも責任がある。ドーピング使用の事実を認定され、相手に口実を与えてしまった」と話し、ロシアの立場を認めていた。(c)AFP