【12月14日 AFP】英国の外科医(53)が13日、病院で臓器移植の手術中、患者2人の肝臓の表面に自分のイニシャルの「焼き印」を入れていたことを法廷で認めた。その様子は同僚の医師が目撃していた。判決は来年1月12日に言い渡される予定。

 医師はサイモン・ブラムホール(Simon Bramhall)被告。勤務先のイングランド中部バーミンガム(Birmingham)にあるクイーン・エリザベス病院(Queen Elizabeth Hospital)でこの行為に及んだ。

 被告は暴行の罪を認めたが一方、実際に肉体に害を与える原因となる暴行の罪では無罪を主張した。

 法廷で検察官は、これは「孤立した事件ではなく2度繰り返された。相当の技能と集中を要し、同僚の面前で行われた」と指摘。「極めて異常で複雑な」事件だとし、このようなケースは「刑法に判例がない」と言及した。

 英公訴局(Crown Prosecution Service)のエリザベス・リード(Elizabeth Reid)氏は声明で「サイモン・ブラムホールは優秀な外科医だが、患者2人に対して手術中に暴行を加えた」と指摘。そのような暴行は倫理的に誤りであるだけでなく犯罪でもあり、患者の信頼を裏切るものだと指弾した。

 被告は保釈が認められた。(c)AFP