【12月5日 AFP】中国の都市で、女性は口をつぐみ、社会において二次的な役割に甘んじ、家事に専念すべきと教える「女性道徳教室」が開講されていることが発覚し、怒りの声が広がったことを受けて、当局がこの教室を閉鎖させた。国営メディアが4日、報じた。

 問題の教室が開かれていたのは、同国北東部に位置する遼寧(Liaoning)省撫順(Fushun)市。インターネット上で拡散した映像には、講師が受講者らに対し「女性は口数を減らしてもっと家事に励み、おしゃべりを慎むべきだ」と教える様子が収められていた。

 講師はさらに、「女性は社会の中で上昇しようと努めるべきではなく、常に最下層にとどまるべきだ」「自分で料理せず宅配を頼むなら、女性道徳に反していることになる」と諭していた。

 この教室は、2011年に市当局の承認を得て設立された撫順伝統文化研究会(Fushun Traditional Cultural Research Association)が開設。国を挙げて古来の教えを見直そうとする動きが広がる中、儒教的価値観の高揚をその目的に掲げていたが、講義の映像は広く怒りを招いた。

 国営新華社(Xinhua)は同市の教育当局が、教室は許可なく始められたものであり、直ちに中止すべきだと指摘したと報じている。(c)AFP