【12月2日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)前米大統領が訪問先のインドで1日、フェイスブック(Facebook)やワッツアップ(WhatsApp)、ツイッター(Twitter)などのソーシャルメディアが持つ力は「複雑な問題を(深く考えずに)反射的に判断」することにつながるとして、リーダー的立場にある人々に対してツイートする前によく考えるよう注意を促した。

 インドの英字紙ヒンドゥスタン・タイムズ(Hindustan Times)がニューデリーで主催したシンポジウム「リーダーシップ・サミット(Leadership Summit)」に出席したオバマ氏は、自身の後継者であるドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領に関する質問を再三受けた。質問がツイッターの危険性に及ぶと「こうしたツールの影響力と限界の両方に留意することが重要だと思う」と述べ、著名人全般に対する一般的な警告にとどめた。

 トランプ氏はツイッターへの投稿でたびたび物議を醸しているが、オバマ氏の妻ミシェル(Michelle Obama)夫人は最近あるイベントで、頭に浮かんだことを何でもツイートすればいいものではなく、ツイートする前にスペルミスがないか確認すべきだと聴衆に語り掛け、トランプ氏を暗に批判したとされている。

 オバマ氏は一方で、トランプ氏が2015年に採択された地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」からの離脱表明をしたことについては、もっと直接的な表現で批判。「この件で米国のリーダーシップの発揮が少し中断されることになっても、これは、私たちの子どもたちに闘うチャンスを与える合意だ」と話した。

 オバマ氏はトランプ現政権に関する他の質問には答えなかったが、「破壊的なポピュリズム」は現代の民主主義にとって脅威となると述べ、さらに「私たちは事実に基づいて自分の意見を組み立てるより、自分の意見に事実を適合させるようになってきている」とも指摘した。

 中国、インドを歴訪したオバマ氏はこの後、フランス・パリを訪れる予定。(c)AFP/Bhuvan BAGGA