【12月1日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領がテリーザ・メイ(Theresa May)英首相を批判するため行ったツイッター(Twitter)投稿で、メイ首相と取り違えられて名指しされ、思わぬ注目を浴びる羽目になった英国人女性が11月30日、トランプ氏からの謝罪を待っていると語った。

 この女性は、2009年に「@TheresaMay」の名でツイッターのアカウント登録を行っていたテリーザ・スクリブナー(Theresa Scrivener)さん(41)。このユーザー名は自身のミドルネームを使ったものだという。アカウントのフォロワーは6人で、これまでの投稿数はごくわずかだった。

 スクリブナーさんのユーザー名を含んでいたトランプ氏の当初の投稿は直ちに削除され、メイ首相の正しいユーザー名と共に改めて投稿された。だが、スクリブナーさんの元には翌朝、世界中の報道機関からの電話や大量のメッセージが寄せられた。

 とんだ迷惑を被ったスクリブナーさんは、ロンドンの南西89キロにある海沿いの町ボグナーリージス(Bognor Regis)の自宅で、「もし有名になりたかったら、(人気オーディション番組の)『Xファクター(The X Factor)』に出ていたわ」と苦言を呈し、「ホワイトハウス(White House)からの謝罪の電話を待っている」と語った。

 これまで受け取ったメッセージの大半は温かい言葉で、多くは大統領の行為をわびる米国人からのものだったという。「彼(トランプ氏)はきちんと考えてからツイートをするべき。テリーザ・メイ首相と私のプロフィルは完全に違う。彼女は国政を担う人物で、私はボグナー在住のママ」とスクリブナーさんは語った。

 これに先立ちトランプ氏は、英極右団体「ブリテン・ファースト(Britain First)」の幹部が投稿した反イスラム動画をリツイート(再投稿)し、メイ首相から批判されていた。今回の投稿は、首相の批判に対し、自国の問題に集中するようけん制する内容だった。

 メイ首相はこの投稿を受け、「ブリテン・ファーストの投稿をリツイートすることは間違った行為だ」と改めてトランプ氏を批判。一方で、英米の「特別な関係」は今後も続くだろうとも述べた。(c)AFP