【11月25日 AFP】乗組員44人を乗せたアルゼンチン海軍の潜水艦「サンフアン(ARA San Juan)」が同国沖で消息を絶った問題で、マウリシオ・マクリ(Mauricio Macri)大統領は24日、真相究明を命じた。

 マクリ大統領はアルゼンチン海軍の本部で記者会見を開き、サンフアンに何が起きたのか明らかにするために徹底的な調査を行う必要があると述べた。

 マルデルプラタ(Mar del Plata)の海軍基地に向かっていたはずのサンフアンの到着が遅れていると16日に報じられて以来、アルゼンチン海軍は対応の不手際を激しく批判されている。

 海軍は23日になってようやく艦内で爆発があったことを認めた。専門家らによるとこの爆発はバッテリーの問題と関係があるとみられるという。海軍は24日、乗組員の生存を絶望視し、サンフアンの捜索救助活動を捜索収容活動に切り替えた。

 マルデルプラタにある高圧医療センター(Center for Hyperbaric Medicine)のグスタボ・マウベシン(Gustavo Mauvecin)所長によると、サンフアンは鉛蓄電池を500トン搭載していた。鉛蓄電池は過充電状態になると水素が発生する。水素が酸素と混合すると爆発しやすくなる。

 元サンフアンの潜水士のオラシオ・トビアス(Horacio Tobias)さんは、爆発は非常に激しく、乗組員は何が起きたのか理解する間もなかっただろうと述べている。

 アルゼンチンの大陸棚の端では水深が200メートル程度から急に深くなり3000メートル以上になる。核実験の監視などを行う包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)の水中音波監視施設はこの海域で爆発音を探知していた。

 専門家によると、サンフアンは深さが約600メートルを超えると圧壊が始まるとみられる。(c)AFP/Carlos REYES