【11月24日 AFP】ラグビー日本代表のジェイミー・ジョセフ(Jamie Joseph)ヘッドコーチ(HC)は、2年後のW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)に向けてブレイブブロッサムズ(Brave Blossoms、日本代表の愛称)が実力を上げていくためならば、喜んで世界ランキングを犠牲にする意気込みを見せている。

 前回のW杯イングランド大会(Rugby World Cup 2015)で日本は、34-32で初勝利を挙げた南アフリカ戦を含めてプールステージで4戦3勝を記録する飛躍を遂げたものの、惜しくも決勝トーナメント進出を逃した。母国開催となる2019年大会では、最低でもベスト8入りを果たすことを目標に掲げているが、アイルランドやスコットランドと対戦する厳しいグループAに入った。

 現役時代にはオールブラックス(All Blacks、ニュージーランド代表の愛称)と日本代表でプレーした経歴を持つ48歳のジョセフHCは、日本代表のメンバーが2015年大会以降入れ替わっていることから、チーム再建が難しくなっているとして、「前回のW杯から2年が経過し、チームも大きく変わっている」と述べた。

「次のW杯までしっかり準備を整える時間は十分にあると確信しているが、まだ長い道のりが待ち受けている」

 25日にパリでフランスとのテストマッチに臨むことになっている日本は、ティア1のチームに対し、2年前のW杯で輝かしい9月を経験して以来の勝利を目指している。今回のメンバーには2015年のW杯に出場した選手が8人いるものの、スプリングボクス(Springboks、南アフリカ代表の愛称)戦で決勝トライを決めたカーン・ヘスケス(Karne Hesketh)や、スターキッカーの五郎丸歩(Ayumu Goromaru)は不在となっている。

 現在世界ランク11位につける日本代表を率いるジョセフHCは、ティア1のチームを倒す夢を実現させるためには、たとえ敗戦でランキングが後退することになろうとも、そういった国々との試合を積み重ねることが重要だという認識を示した。

「われわれの強みは優れた機動力と技術だが、体格には恵まれていない。今年はティア1のチームとの対戦が続き、来年はランキングが後退してしまうことになるだろうが、経験を積むという観点では、チームにとってはプラスになる。だからこそ、W杯の前にこういったチームと対戦していくのだ」

 日本はこれまでフランスとはフル代表戦3試合のほかに加えて6試合しか対戦しておらず、一度も勝ったことがない。両チームが最後に対戦したのは、ニュージーランドで開催された2011年のW杯で、そのときはフランスが47-21で圧勝した。

 ティア2との試合では実力を示している日本は、今年6月のルーマニア戦では33-21、今月19日にトゥールーズ(Toulouse)で行われたトンガ戦では39-6で勝利。しかし、世界の強豪国との試合では痛い目を見ており、今年6月に行われたアイルランドとの2連戦では、同国の主力がブリティッシュ&アイリッシュライオンズ(British and Irish Lions、英国とアイルランドの選抜チーム)に参加していたものの、22-50、13-35と連敗し、今月横浜で行われたオーストラリア戦では、相手の9トライに対して3トライに終わり30-63で大敗した。

 日本は来年11月にオールブラックスとの試合が決まっており、再び大きな試練を経験することになるとみられる。(c)AFP/Mathieu GORSE