【11月17日 AFP】米上院の民主党議員で、かつて未来の大統領候補と目されていたアル・フランケン(Al Franken)氏が16日、自身から痴漢行為を受けたと公表した女性ラジオ司会者に謝罪するとともに、自身の行為についての議会による調査を歓迎するとの声明を発表した。

 被害を公表したのは、元モデルでスポーツコメンテーターでもあるリーアン・トゥイーデン(Leeann Tweeden)さん。2006年に、フランケン氏から了承なしにキスをされ、さらに寝ている間に胸を触られたと話している。

 コメディアンから人気の左派政治家へと転身を遂げたフランケン氏の名声は、この衝撃的な疑惑により、大きく損なわれることとなった。同氏に対しては上院倫理委員会による調査が行われる見通しで、その結果によっては罰金や委員職の剥奪、さらには議員資格停止の処分を受ける可能性もある。

 トゥイーデンさんは、自身が司会を務める番組を放送するラジオ局KABCのウェブサイト上に投稿した記事で、フランケン氏の痴漢行為を公表。記事には軍用機内で防弾チョッキを着用しヘルメットをかぶって寝ているトゥイーデンさんの胸をフランケン氏が触っている写真も添えられた。

 トゥイーデンさんによると、この出来事は2006年、フランケン氏と共にアフガニスタン駐留米軍の兵士らを慰問した際に起こった。

 当時、人気コメディアンだったフランケン氏は、兵士らに披露するためのコントを執筆したが、その中にはステージ上で同氏がトゥイーデンさんとキスするシーンも含まれていた。トゥイーデンさんによると、コントのリハーサル中にフランケン氏は「私の後頭部に手をやると、唇を私に押し付けて口の中に舌を入れてきた」という。

 フランケン氏は声明で、コントのリハーサルについては記憶にないとしつつも、機内での写真については「撮ったときに何を考えていたのか自分にも分からないが、それはどうでもいいこと。言い訳はできない」と表明。

 また「今これを見ると自己嫌悪を感じる。おもしろくもなく、完全に不適切だ。この写真でリーアンが汚されたと感じるだろうことは明らかだ」と述べ、謝罪した。(c)AFP/Andrew BEATTY