【1月1日 AFP】インドネシア東部のパプア(Papua)のジャングルの奥深くで、バードウオッチャーのグループが有名なフウチョウ科の鳥(ゴクラクチョウとも)を一目見ようと辛抱強く待っていた。

 かつてパプアのジャングルはさまざまな鳥であふれていたが、横行する密猟と森林伐採の影響で鳥たちは激減してしまった。

 ビジネスチャンスを拡大するとうたわれた農業プランテーションがパプアで急速に拡大している。このために森林が破壊され、森に生息する鳥たちが絶滅の淵に追いやられる恐れがあると住民や動物保護活動家たちは警鐘を鳴らしている。

 パプアのフウチョウ類はその美しい羽を装飾に使うため密猟されその数が減ってしまった。当局はこれらの鳥の販売を禁止しているが、国際的な需要は高く今なお違法取引が横行している。

 インドネシアの熱帯雨林には41種のフウチョウ類が生息している。ガイドのチャールズ・ローリング(Charles Roring)氏によると、そのうちの37種はパプアのジャングルで見ることができる。

 これらの鳥を一目見ようと、1か月に最大20人の観光客がジャングルを訪れる。観光客らはジャングルの中を2時間もトレッキングして遠隔地にある高床式の家に向かう。

 NGO「ベランタラ・ソロン(Belantara Sorong)」のメンバーで環境保護専門家のマックス・ビヌル(Max Binur)氏は、西パプア(West Papua)州マラグフク(Malagufuk)村で地元住民がガイドとして働いたり観光客に宿泊場所を提供したりするエコビレッジ事業に参加した。

 ビヌル氏は同様のエコビレッジをパプア全域で展開し、観光業界が率先して世界的に有名な鳥を保護すると同時に、地元住民にとっても利益になることを期待している。「観光客たちが村に金を落とす。村人たちに家族を養う余裕が生まれ、子どもたちを学校へ通わせ、服を買う。そして自然を守ることに意識が向くようになる」 (c)AFP/Kiki Siregar