【10月31日 Watches Press】オークションハウスの「フェローズ(Fellows)」は31日、バーミンガム(Birmingham)で「ウオッチ・セールNo. 1999」を開催する。

 ロット数は420で、腕時計、懐中時計、その他時計関連商品が出品される。注目商品は、「ベル&ロス(Bell & Ross)」のアヴィエーションウオッチで予想落札価格は800イギリスポンド。またロット16、「ブレゲ(Breguet)」からはプラチナ製グランド・コンプリケーション・トゥールビヨン、レファレンス3657、が出品される。予想落札価格は2万~3万イギリスポンド、ここにハンマープライスにバイヤーズプレミアム(買手手数料)27.6パーセントがかかる。この時計は、6月21日に開催された「ボナムス(Bonhams)」のオークションにも出品されたが、370万円から520万円と推定された最低落札価格にも届かなかった。それゆえ今回のオークションでは、特に注目されるロットになりそうだ。

「ブローバ」のアキュトロン・スペースヴュー(c)Fellows

 比較的手ごろなロット378は、「ブローバ(Bulova)」のアキュトロン・スペースヴュー。時計は不動品でブレスレットはオリジナルではなく、予想落札価格は150~200イギリスポンド(約2万2000~3万円)だ。1960年代初期、「ブローバ」は初めて月で使われる時計として、「オメガ(OMEGA)」と競い合ったことで知られている。

 結局は「オメガ」が採用されたものの、「アポロ15号(Apollo 15)」に搭乗したデービッド・スコット(David Scott)船長は1971年、2度目の月面着陸の際「ブローバ」の腕時計を着用して月を歩いている。その後この時計は2015年に約165万ドルで落札された。同時計に使われているキャリバー214は、音叉機構を採用しており、トランジスタ回路で駆動し360振動の高振動を生み出している。音叉の爪が、直接ギアトレインを動かすという機構である。1967年に製造されたもので、4時の位置には原始的なトランジスタを見ることができる。この製品はマニア間での人気が高く、アメリカ国内であれば修理も可能だ。相場価格は状態のいいものであれば800ドル、完全に修復されたものであれば4000ドルまでになる。ちなみに「ブローバ」は2008年に「シチズン(CITIZEN)」に買収されている。

「グラハム」のシルバーストーン(c)Fellows

 ロット115には「グラハム(Graham)」のGMT機構付き、シルバーストーンがお目見えする。リファレンスナンバーは2SIAR.S01A.C01B、ナンバー48だ。ケースは18カラットローズゴールド。3時位置に30分の積算計、9時位置に60秒の積算計、6時位置には日付表示、そしてセカンドタイムゾーンが表示されている。採用されているキャリバーG1721はバルジュー7750をベースにしたものだ。また、大型の腕時計としても知られている。予想落札価格は2800~3800イギリスポンド(約41万円~56万円)だが、元々のリスト価格は300万円だった。

 そして今回も、ダウンロード用カタログには興味深い情報が詰まっているので、ぜひご覧になって頂きたい。ただ、それぞれの時計の状態を360度どこからでも見ることができるのはオンライン用カタログのみとなっている。

■関連情報
「ウオッチ・セール」オンラインカタログ<外部英語サイト>
「ウオッチ・セール」ダウンロードカタログ<英語PDF自動ダウンロード>
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