【10月25日 AFP】物理学者アルバート・アインシュタイン(Albert Einstein)が95年前に東京の帝国ホテル(Imperial Hotel)に滞在した際、幸せな生活に関する短い自説を記して配達人に渡したメモが24日、中東エルサレム(Jerusalem)で競売にかけられ、156万ドル(約1億7800万円)で落札された。競売会社ウィナーズ(Winner’s)が明らかにした。

 ウィナーズのウェブサイトによると、メモは予想落札価格の5000~8000ドル(約57万~91万円)をはるかに上回る額で落札された。同社の広報担当者は落札者について、匿名を希望する欧州出身の人物だと説明している。

 メモは帝国ホテルの便箋に書かれたもので、ドイツ語で「静かで質素な生活は、絶え間ない不安に縛られた成功の追求よりも多くの喜びをもたらす」と記されている。その存在はこれまで、研究者の間でも知られていなかった。

 競売では、同時に書かれたもう1枚のメモも出品され、24万ドル(約2700万円)で落札された。こちらには簡潔に「意志のあるところに道あり」とのみ書かれている。

 これらのメモは1922年、講演のため日本を訪問中だったアインシュタインによって書かれた。アインシュタインは来日の直前にノーベル物理学賞(Nobel Prize in Physics)受賞を知らされたばかりで、科学界以外でもその名を知られるようになっていた。

 帝国ホテルに滞在していたアインシュタインは、日本人の配達人から1通のメッセージを受け取った。配達人がチップの受け取りを断ったか、またはアインシュタインが小銭を切らしていたかは明らかでないが、配達人を手ぶらで帰すのを望まなかったアインシュタインは、その場で2枚のメモを書いた。

 ドイツ・ハンブルク(Hamburg)在住で配達人の親戚である匿名希望の出品者によると、「もしあなたが幸運なら、このメモ書きは普通のチップよりもずっと価値が高くなるでしょう」とアインシュタインは配達人に話したという。(c)AFP/Jonah Mandel