【10月23日 AFP】オーストラリア南部サウスオーストラリア(South Australia)州の海岸で22日、カヤックでイカ釣りを楽しんでいた少女(15)がサメに襲われ、間一髪で命拾いする出来事があった。近くにいた父親は、少女の悲鳴で事態に気付いたときのことを振り返り、サメは間違いなく「娘を食べようとしていた」と語った。

 サラ・ウィリアムズ(Sarah Williams)さんは、アデレード(Adelaide)の南方75キロに位置するノーマンビル(Normanville)近郊の海岸からカヤックで沖に出て、イカ釣りをしていた。すぐ近くでサラさんの兄や姉と一緒にボートに乗っていた父親のクリスさんは、サラさんが宙に投げ出され海に落ちるのを目撃したという。

「サメはぐるぐる旋回していて、黒っぽい背中と白い腹、大きなひれが見えた。一帯の海面が白く泡立っていた」とクリスさんは23日、オーストラリア放送協会(ABC)に語った。「サメは娘を食べようとしていた」

 クリスさんによれば、サメは旋回してはカヤックに体当たりを何回も繰り返していた。クリスさんは急いでサラさんを助けに向かい、兄のミッチェルさんがサラさんを水中からボートに引き上げたという。

「背すじが凍るような悲鳴だった」とクリスさん。地元テレビ局ナインネットワーク(Nine Network)の取材に、「私だけでなく息子や上の娘も聞いたが、とても言葉では言い表せない」と涙をこらえながら話している。

 サラさんを襲ったサメは全長4.5メートルのカヤックと同程度の大きさと推定され、ホホジロザメとみられている。一家がモーターボートで逃げる間も、10分ほど後を追ってきたという。

 軽い切り傷と打ち身だけで生還したサラさんは、「何もかも映画『ジョーズ(JAWS)』で見たままだった」と海中でサメと対面した体験をナインネットワークに語っている。(c)AFP