【10月23日 AFP】イタリア北部の経済的に豊かな2州で22日、自治権拡大の是非を問う住民投票が行われ、賛成票が圧倒的多数を占めた。

 住民投票を実施したのはベネチア(Venice)があるベネト(Veneto)州と、ミラノ(Milan)があるロンバルディア(Lombardy)州で、ハッキング攻撃の影響で投票の集計はやや遅延したものの、事前の予想通りの結果となった。

 ベネト州のルカ・ザイア(Luca Zaia)知事は、投票結果を制度の「ビッグバン」と歓迎。一方で、同州の望みはスペインのカタルーニャ(Catalonia)自治州が目指しているような分離独立ではないと繰り返した。

 投票率はベネト州が57~61%、ロンバルディア州が40%前後とみられる。両州の州知事は、事前の予想通りに投票者の90%以上が自治権拡大に賛成票を投じたと述べた。

 投票結果は法的拘束力を持たないが、今回の結果によって自治権拡大をめぐる中央政府との交渉に着手する上で、両州の州知事は政治的に大きな負託を受けたことになる。

 両州で分離独立を求めているのは非主流派に限られているが、専門家らは自治権拡大の動きは、僅差で独立が否決されたスコットランド(Scotland)の住民投票や欧州連合(EU)から離脱を決めた英国の国民投票、そしてスペイン・カタルーニャの独立問題につながったのと同様の分離主義的な機運を反映していると指摘している。(c)AFP