【10月19日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は18日、ニジェールで戦死した兵士への敬意を欠き遺族に対し無神経な態度を取ったとして、非難の矢面に立たされた。

 この兵士はフロリダ(Florida)州マイアミ(Miami)出身のラ・デービッド・ジョンソン(La David Johnson)軍曹。今月、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の活動域となっているニジェールで起きた奇襲攻撃により死亡した兵士4人のうちの一人だった。

 フロリダ州選出の民主党下院議員、フレデリカ・ウィルソン(Frederica Wilson)氏は、米CNNテレビのインタビューで、トランプ大統領とジョンソン軍曹の遺族がグループ通話をした場に立ち会ったと説明。

「会話を全部聞いていたわけではなかったが、『彼(軍曹)は自分が何に志願したのかはきっと承知していたと思うが、それでも心が痛むものだ』と彼(トランプ大統領)が言ったのを聞いた」と語り、大統領の無神経さを非難した。

 ウィルソン議員によると、軍曹の妻のマイーシャ(Myeshia Johnson)さんはこの電話の後に泣き崩れ、「大統領は夫の名前さえも知らなかった」と言ったという。

 地元紙マイアミ・ヘラルド(Miami Herald)によると、ジョンソン軍曹の遺体は17日午後に米国に帰還した。妻のマイーシャさんは現在、軍曹との間にできた3人目の子供を妊娠している。

 トランプ大統領は18日、ツイッター(Twitter)に「民主党下院議員は、戦死した兵士の妻に私が言ったことを完全にでっち上げた(証拠もある)。嘆かわしい!」と書き込み、この発言を否定した。

 一方、ジョンソン軍曹の母親であるコワンダ・ジョーンズジョンソン(Cowanda Jones-Johnson)さんは18日、米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)の取材に対し「トランプ大統領は、私の息子と娘、そして私と私の夫に、確かに無礼をはたらいた」とし、ウィルソン議員の説明は間違っていないと語った。

 トランプ氏はこの騒動に先立ち、ニジェールで死亡した兵士の家族にすぐに連絡をとらなかったことで批判を受けていた。(c)AFP