【9月19日 AFP】体の大きさが最大級と最小級の動物はいずれも絶滅の危険性が最も高いとの研究結果が18日、発表された。これらの種が絶滅した場合、多岐にわたる理由で地球に重大な影響を及ぼすという。

 査読学術誌の米科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された論文によると、ジンベイザメ、バルチックチョウザメ、ソマリアダチョウ、チュウゴクオオサンショウウオ、コモドオオトカゲなどの大型動物にとって、その生存を脅かす最大の脅威は人間だという。背骨を持つ大型脊椎動物は、漁獲、狩猟、密猟などの対象になる上、わなで捕らえられたり、意図的ではない混獲で殺されたりするケースが多い。

 論文の主執筆者で、米オレゴン州立大学(Oregon State University)のウィリアム・リップル(William Ripple)特別教授(生態学)は、大型動物種ほど、その多くが人間によって殺され、消費されているとして、「体重が1キロより大きい絶滅危惧種の約90%は、人間による捕獲によって生存を脅かされている」と述べている。

 一方で、体重が約77グラム未満の最小級の動物についても絶滅の危険性が高くなっているが、その主な原因は生息地の減少だ。

 同論文は、最小級の動物で最も絶滅の危機にさらされているものとして、クラークスバナナガエル、ルリハラハチドリ、ハイイロチビヤモリ、ブタバナコウモリ、ウォーターフォール・クライミング・ケーブ・フィッシュなどを例に挙げ、「特に危機に直面しているのは、淡水生息地が必要な小型動物種」としている。

 最大級および最小級の種が絶滅すると、生態系全体に影響を及ぼす可能性がある。しかし現状が改善されない限り、人為的活動によって「地球上の生物の構造が根本的に転換してしまう」方法で大型および小型の動物は絶滅に至るに違いないと、論文は指摘。

 研究チームは、どの動物が絶滅の危機に直面しているかを知ることによって、その種を保護する取り組みを集中的に行えるようになるかもしれない、と述べている。

 今回の研究は、国際自然保護連合(IUCN)の「レッドリスト(Red List)」の評価対象の脊椎動物2万7000種以上を調査した結果に基づいている。(c)AFP