【9月14日 AFP】イタリアの首都ローマ(Rome)とその周辺域で、蚊が媒介するウイルス性疾患のチクングニア熱とみられる症例の報告が相次ぎ、同市は13日、蚊の防除対策を早急に実施すると発表した。

 同国保健相は市の対応の遅れを非難するとともに、チクングニア熱の感染拡大を阻止するため、ローマ市内における献血中止の可能性も示唆した。

 ローマ市は声明を出し、都市部のうち、各地域の保健当局である地域保健公社(ASL)から症例報告があった全域で、消毒をはじめとする防蚊対策を実施する方針を明らかにした。

 チクングニア熱は1952年、タンザニアで初めて報告された。2種類の蚊がウイルスを媒介し、関節痛、高熱、吐き気、頭痛、極度の倦怠(けんたい)感などを伴うが、概して非致死性でほとんどの患者が回復する。

 アフリカや南アジアの風土病とされてきたが、次第に西は中南米、北は欧州へと感染域が拡大してきている。そのため各地の保健当局が、定着防止に乗り出している。

 ローマを含むラツィオ(Lazio)州の感染症監視局によると、同州内ではここ数日間にチクングニア熱の症例が17件報告されており、うち6件がローマで発生したという。(c)AFP