【9月7日 AFP】今月1日に約700万キロという近距離まで地球に接近した小惑星「フローレンス」に2個の衛星が伴っていることが、米航空宇宙局(NASA)が撮影したレーダー画像でこのほど明らかになった。

 NASAによると、フローレンスが地球に最接近した8月29日~9月1日に撮影されたレーダー画像により、小惑星の大きさが約4.5キロであることが判明した他、2個の衛星の直径が100~300メートルとみられることも分かったという。

 小惑星に近い内側の軌道を周回している衛星は約8時間でフローレンスを1周する一方、外側の衛星は1周に22~27時間かかると、NASAは説明している。

 衛星を持つことが知られている地球近傍小惑星は60個存在するとされているが、今回のフローレンスのように衛星が2個ある小惑星を確認したのは、2009年1月の「Asteroid 1994」以来だという。

 NASAによると、1981年に発見されたフローレンスの今回のレーダー画像は、米カリフォルニア(California)州にあるゴールドストーン深宇宙通信施設(GDSCC)で撮影されたという。

 NASAジェット推進研究所(JPL)地球近傍天体研究センター(CNEOS)のポール・チョーダス(Paul Chodas)氏は「多くの既知の小惑星がフローレンスよりも地球に近いところまで接近通過しているが、これらはみなフローレンスよりサイズが小さいと推定されている」としながら、「フローレンスは、地球近傍小惑星を検出・追跡するためのNASAの計画が開始されて以降、地球のこれほど近くを通過した小惑星としては最大級のものだ」と説明した。(c)AFP