【8月4日 AFP】米マサチューセッツ(Massachusetts)州ボストン(Boston)の少年裁判所は3日、恋人だった10代男性に自殺計画の実行を促して死に追いやったとして、有罪を宣告されていたミシェル・カーター(Michelle Carter)被告(20)に対し、一部執行猶予付きで禁錮2年6月の刑を言い渡した。15か月は収監されることになる。

 判事が判決文を読み上げる間、カーター被告はうつむいて、涙を流しながら両手を握りしめていた。マサチューセッツ州には自殺ほう助を取り締まる法律はなく、今回の裁判で同州に新たな判例が生まれるとみられていた。

 事件では2014年7月、カーター被告の恋人だったコンラッド・ロイ(Conrad Roy)さん(当時18)が、駐車場に止めてあったピックアップトラック内で一酸化炭素中毒で死亡しているところを発見された。カーター被告はロイさんと何百通ものメッセージをやり取りし、その中でロイさんに自殺の計画を実行に移すよう迫っていた。

 弁護側は裁判で、当時17歳だったカーター被告はうつ病性障害に苦しみ、抗うつ剤を服用し、摂食障害も患っていたため、正常な判断ができなかったと主張。しかし、少年裁は6月、過失致死罪で被告に有罪を宣告していた。

 カーター被告は最長で20年の禁錮刑を言い渡される可能性があったが、ローレンス・モニズ(Lawrence Moniz)判事は、刑罰と社会復帰のバランスを取ることが重要だとした。刑期は15か月を終えた後、2022年8月1日まで猶予される。(c)AFP/Jennie MATTHEW