【8月1日 AFP】米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は7月31日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の長男ドナルド・トランプ・ジュニア(Donald Trump Jr)氏が昨年の米大統領選中に行ったロシア人弁護士との面会について、養子縁組の話が中心だったとした説明内容は、トランプ氏が自ら指示していたと報じた。

 昨年6月のこの面会をめぐっては後に、仲介者がジュニア氏側に、相手はトランプ氏の対立候補だった民主党のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏に不利な情報を持っているロシア政府の弁護士と紹介していたことが発覚。面会にはジュニア氏のほか、トランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー(Jared Kushner)上級顧問、トランプ氏陣営の選対本部長を務めたポール・マナフォート(Paul Manafort)氏も同席していた。

 ジュニア氏がクシュナー、マナフォート両氏を同弁護士との面会に招いた電子メールの件名は「ロシア─クリントン─極秘親展」だった。

 ジュニア氏は面会に関する当初の声明で、参加者は「ロシアの子どもの養子縁組事業について主に話し合った」とし、「選挙戦に関する話ではなかった」と誤解を招く説明をしていた。

 ワシントン・ポストによると、トランプ氏は先月ドイツで20か国・地域(G20)首脳会議(サミット)を終えて帰国する機内で、ジュニア氏に対して声明内容を口頭で指示したという。

 ジュニア氏はその後、一連の電子メールを公表。ロシアと同国政府がトランプ氏を支持していることを示す「非常に高いレベルの機密情報」の提供を約束された上で面会に応じていた経緯を明らかにし、米政界に衝撃が走った。

 トランプ氏はジュニア氏の擁護に回り、政治的な「魔女狩り」だと非難していた。(c)AFP