【7月20日 AFP】AIDS(エイズ、後天性免疫不全症候群)による世界中での昨年の死者数は約100万人で、ピークだった2005年のほぼ半数に減ったとする国連合同エイズ計画(UNAIDS)の報告が20日、発表された。

 エイズ関連死は2005年には190万件だったが、昨年はその約半数の100万人だった。またHIVの新規感染者数も、最多だった1997年の約350万人から、昨年は180万人とほぼ半減している。

 仏パリ(Paris)で23日に開幕するエイズ関連の学術会議を前に発表されたデータによると、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の新たな感染者と死者数が減っていることに加え、生命維持治療を行っている患者の数がかつてなく増えている。

 UNAIDSによると、2016年は世界のHIV感染者3670万人のうち1950万人が治療を受けることができていた。HIV感染者の半数以上が抗レトロウイルス療法を受けていたのは初めて。抗レトロウイルス療法ではHIVを死滅させるのではなく、その増殖を抑える。

 ミシェル・シディベ(Michel Sidibe)UNAIDS事務局長は「エイズを制御することができるようになり、保健衛生面での効果も改善し、各国も以前より強くなっている」と述べた。

 1980年代にエイズの発症例が拡大し始めて以来、これまでに計7610万人がHIVに感染し、約350万人が死亡している。(c)AFP/Mariëtte Le Roux