【7月14日 AFP】獄中でノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を受賞した中国の民主活動家、劉暁波(Liu Xiaobo)氏が死去したことについて、米国に亡命している中国の盲目の人権活動家、陳光誠(Chen Guangcheng)氏は13日、中国の指導部によって「意図的に殺された」と強く非難した。国際社会に対して中国に引き続き圧力をかけるよう求めた。AFPとのインタビューで語った。

 末期がんと診断された劉氏は2か月ほど前に、服役中の刑務所から中国東北部の瀋陽(Liaoning)の病院に移送された。国外での治療を望んでいたが、当局が認めなかった。13日に61歳で死去した。

 米首都ワシントン(Washington D.C.)から電話取材に応じた陳氏は「われわれは彼の死を自然な、普通の死と考えてはいけない」と述べ、「彼は中国共産党に殺された。党によって意図的に殺されたんだ」と非難した。

「共産党は数日前には、劉暁波は歩き回れるし、食事もできるというニュースを流していた。それから彼は突然死亡した。これは重大な疑念を呼び起こす」とも語った。

 中国政府が劉氏の国外治療を拒んだ理由については、「彼の実際の病状が分かってしまい、薬物などによって彼を痛めつけていたこともばれてしまう恐れがあったからだ」と推測した。

 陳氏は、中国で「一人っ子政策」の名の下に避妊手術や後期中絶の強要が横行していることや、公害や汚職などの問題を告発。4年間服役した後、自宅軟禁下に置かれていたが、山東(Shandong)省の自宅から脱出に成功し、2012年に米国に亡命した。

 陳氏は世界の指導者らに対して、中国政府への圧力を継続するため「一段と行動する」よう要請。劉氏の妻、劉霞(Liu Xia)氏が長年にわたる自宅軟禁から解かれ、出国できるようにすることなどを求めた。(c)AFP