【7月4日 AFP】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領が南部ミンダナオ(Mindanao)島とその周辺全域に布告した戒厳令について、フィリピン最高裁は4日、野党議員らによる差し止め請求を退け、戒厳令を支持する判断を示した。

 フィリピンの野党議員らは先月5日、戒厳令には「事実に基づく十分な根拠がまったく欠落している」として、最高裁に差し止めを請求していた。

 ドゥテルテ大統領は5月23日、数百人規模の武装勢力がイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の黒旗を掲げながらミンダナオ島のマラウィ(Marawi)を襲撃したことを受け、数時間後に同島と周辺地域に戒厳令を布告した。現地でのフィリピン軍と武装勢力との戦闘は現在も続いている。

 最高裁のセオドア・テ(Theodore Te)報道官は記者会見を行い、判事の圧倒的多数により差し止め請求は却下されたと述べた。ただし、その判断の具体的な根拠については言及しなかった。

 カトリック教徒が多数を占めるフィリピンの中でイスラム教の主要都市とされるマラウィでは、米軍の支援を受けたフィリピン軍の攻勢にもかかわらず、イスラム武装勢力が市内の一部を占領し続けている。一連の戦闘による死者はこれまでに460人以上に上り、40万人近くの住民が避難を余儀なくされている。(c)AFP/Mynardo MACARAIG