【6月28日 AFP】中国は世界最大規模の糖尿病のまん延に直面しているとの研究論文が27日、発表された。全人口の約11%が糖尿病患者で、36%近くが発症一歩手前の予備軍の段階にあるという。

 米国医師会雑誌(JAMA)に論文を発表した研究チームは、中国疾病予防抑制センター(Chinese Center for Disease Control and Prevention)の協力の下、17万287人を対象とする2013年の調査結果を分析した。

 研究では各調査参加者の空腹時血糖値を評価した。空腹時血糖値が1デシリットル当たり126ミリグラム(mg/dl)以上が糖尿病で、105~126mg/dlの範囲は「糖尿病前症」と位置づけられる。

 中国の糖尿病人口の36.5%が自身の診断結果を把握しており、32.2%が治療を受けていた。治療を受けている人の49.2%については、血糖値が適切にコントロールされていた。

 中国成人の糖尿病有病率は10.9%で、米疾病対策センター(CDC)が記録した2014年の統計データに示されている米国成人の9.3%に近い数字となっている。中国の糖尿病予備軍率は35.7%で、これも2014年に記録された米国の37%に近かった。

 中国の成人人口を約10億9000万人とすると、糖尿病予備軍は約3億8810万人(うち男性が2億40万人、女性が1億8770万人)に上ると推定される。

 糖尿病は世界中で増大しつつある公衆衛生上の問題の一つだ。世界保健機関(WHO)が2016年に発表した報告書によると、世界の成人の糖尿病患者数は、1980年には1億800万人だったのに対し、2014年には約4億2200万人に達したという。(c)AFP