【6月28日 AFP】(更新)南米ベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領(54)は27日、首都カラカス(Caracas)でヘリコプターが最高裁判所の建物に向けて手りゅう弾4個を投げつけたと発表した。負傷者は出なかったものの「テロ攻撃」と断定。軍が警戒態勢に入り、反政府デモが続く国内の情勢は一段と緊迫化する様相を呈している。

 カラカスにある大統領府のミラフローレス宮(Miraflores)で行った演説で明らかにした。マドゥロ氏は「平和を守るために全軍を動員する」と述べ、「遅かれ早かれ、ヘリコプターとテロ攻撃の実行者を捕らえる」と宣言した。

 負傷者はいないとしている。このほか、内務省建物に向けて15発前後の発砲があったという。

 マドゥロ氏は、ヘリコプターを操縦していたのはミゲル・ロドリゲス・トレス(Miguel Rodriguez Torres)元内相の下で働いていた人物だとも主張した。同氏とマドゥロ氏は現在は疎遠な関係にある。

 マドゥロ氏は野党連合の民主統一会議(MUD)の仕業だと非難したが、MUD幹部はコメントできるだけの情報を持ち合わせていないとしている。

■操縦者は警察関係者か

 政府は操縦者をベネズエラの主要な警察機関であるCICPCの元職員と特定した。

 ソーシャルメディアに投稿された写真には、「350自由」と大書した幕を掲げてカラカス上空を飛行するヘリが映っている。「350」は野党勢力がマドゥロ政権には正統性がないと訴える際に持ち出している憲法の条項。

 また動画では、CICPCの捜査官と名乗る男が自分はマドゥロ氏の圧政と戦っていると述べ、同氏の辞任と早期の選挙実施を求めている。

 経済危機にあるベネズエラではマドゥロ氏の退陣を求めて連日抗議デモが繰り広げられており、当局によるとこれまでに76人が死亡している。

 窮地に立たされているマドゥロ氏は最近、自身に対するクーデター計画があると繰り返し主張。前日には米国が侵略できるようにする陰謀をたくらんだとして、敵対する5人を逮捕したことを明らかにしていた。

 27日もこれに先立ち、米国の支援を受けたクーデターが企てられていると訴え、実行されれば反撃するとドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領に警告していた。(c)AFP