【6月28日 AFP】ウクライナやロシア、欧米など世界各地で27日、身代金要求型ウイルス(ランサムウエア)を使った大規模なサイバー攻撃が起き、企業や金融機関、インフラ施設などのシステムが被害を受けた。ランサムウエアを用いた世界規模のサイバー攻撃は5月にもあったばかり。

 今回の攻撃はまずロシアとウクライナで確認され、その後西欧や北米に広がった。

 これまでに被害が確認されているのは、ウクライナの中央銀行や首都キエフ(Kiev)の主要空港、チェルノブイリ(Chernobyl)原発の事故跡地のほか、米製薬大手メルク(Merck)、ロシア国営石油大手ロスネフチ(Rosneft)、英広告大手WPP、仏建材・ガラス大手サンゴバン(Saint-Gobain)を含む多国籍企業など。

 ウクライナのボロディミル・グロイスマン(Volodymyr Groysman)首相はフェイスブック(Facebook)への投稿で、同国への今回のサイバー攻撃は「前例のないもの」だと指摘。ただ、重要なシステムへの影響はないとした。

 1986年に爆発事故が起きたチェルノブイリ原発では放射線監視システムがオフラインとなり、手動で作業が行われている。「数十年前と同じように、係員たちが小型計器を持って計測に当たっている」(広報担当者)という。

 今回の攻撃に使用されたウイルスは、150か国以上で計20万を超えるユーザーが被害を受けた5月の大規模サイバー攻撃で使われたランサムウエア「WannaCry」に似ている。WannaCryはファイルを使えないようにしその見返りに身代金を要求する。

 27日の攻撃に使われたウイルスについては、ランサムウエア「Petya」の変種である「Petrwrap」と特定されたとする専門家もいる。一方、ロシアのITセキュリティー大手カスペルスキー(Kaspersky Lab)は初期段階の調査を基に、Petyaの変種ではなく新たなランサムウエアと分析している。(c)AFP/Oleksandr Savochenko with Maria Antonova in Moscow and AFP bureaus