【6月22日 AFP】英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II)が21日に行われた議会の開会式で、欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)に向けた法案を含む施策方針を演説した際に着用していた帽子をめぐり、デザインがEU旗を連想させると指摘する声が上がるなど話題を呼んでいる。

 ツイッター(Twitter)ユーザーらは、女王がかぶっていた中心に黄色い飾りが付いている青い花をあしらった青い帽子と、加盟国を象徴する黄色い星が描かれたEUの青い旗の写真を並べて投稿。

 英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)は「女王はブレグジットについて、帽子で国民に何らかのメッセージを伝えようとしているのではないか」と問い掛けている。

 欧州議会(European Parliament)でブレグジット問題の広報を担当するヒー・フェルホフスタット(Guy Verhofstadt)ベルギー元首相は、「EUがいまだ英国の一部の人々を触発しているのは明らかだ」とツイートし、英野党・労働党のポール・フリン(Paul Flynn)議員は冗談めかして「反ブレグジット帽子」と呼んでいる。

 また、女王が、自分の大好きな競馬レース「ロイヤルアスコット(Royal Ascot)」に赴く代わりに議会に出席しなければならなくなったことに腹を立て、テリーザ・メイ(Theresa May)首相に対して開会が遅れたことを当てこすっているのではないかとジョークを飛ばしている人々もいる。

 一方で、女王が実際は英国のEU離脱を支持していたとのうわさを基に、困惑をあらわにした人々もいた。英BBCの報道によると、女王はブレグジットをめぐる国民投票を控えた私的な昼食会の席で、英国はEU離脱を「粛々と進めるのみ」、ブレグジットは問題にはならないと発言したとされる。

 だが英紙ガーディアン(Guardian)は、「ブレグジット交渉において原則として中立でいなければならない女王の立場を忖度(そんたく)すると、あの帽子はいろいろな意味に解釈できる」と述べている。(c)AFP