【6月17日 AFP】スペインの金融危機の際に国内銀行に救済措置として投入された支援金のうち28%しか回収できない可能性があることが分かった。同国の中央銀行が16日に発表した。スペイン政府は当初、納税者の負担は「1ユーロ(約120円)」に満たないと明言していた。

 スペインでは2008年の世界的な金融危機と不動産バブル崩壊を受けて銀行部門の財務状況が悪化し、十数行の銀行が総額761億4000万ユーロ(約9兆4000億円)の資本注入と債務保証を受けた。

 資本注入はスペイン政府支援の「銀行再編基金(FROB)」を通じて行われ、同基金による注入額543億5000万ユーロ(約6兆7000億円)のうち413億ユーロ(約5兆1000億円)は2012年に欧州連合(EU)から受けた救済金だ。

 しかし、中央銀行は、このうち395億ユーロ(約4兆9000億円)が返済されない可能性があるとしており、EUへの返済は続けても、回収額は注入額のわずか28%程度にとどまることになる。(c)AFP