【6月13日 AFP】世界では現在、10人に1人以上が肥満で、22億人が過体重となっており、毎年何百万人もの命を奪う健康上の危機がますます深刻化している──。こうした実態を示す大規模な国際調査結果が12日、発表された。

 米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に掲載された論文によると、肥満人口は調査を開始した1980年に比べ、73か国で2倍以上に急増、それ以外の国でも増加が目立っているという。

 調査は195か国で35年にわたって行われ、肥満を扱ったものとしては過去最大とされている。その結果は、スウェーデンの首都ストックホルム(Stockholm)で開かれた学会で発表された。

 調査を終えた2015年の時点で、世界の肥満人口は子どもが1億770万人、成人が6億370万人に上っており、研究チームは「拡大が続いている、憂慮すべき世界的な公衆衛生上の危機」だとして警鐘を鳴らしている。

 子どもの肥満率は成人に比べて低いとはいえ、研究期間中の増加率でみれば大人よりも速いペースで肥満化が進んでおり、専門家らの間で大きな懸念を呼んでいる。(c)AFP/Jean-Louis SANTINI