【6月8日 AFP】(更新)韓国国防省によると、北朝鮮は8日朝、東海岸の元山(Wonsan)付近から地対艦巡航ミサイルと推定される飛翔(ひしょう)体を数発発射した。北朝鮮は核・ミサイル開発の阻止に向けた国際社会の圧力を無視して実験のペースを加速させている。

 発射されたのは短距離のミサイルとみられ、約200キロ飛行して日本海(Sea of Japan)に落下した。高度は2キロ。

 韓国軍合同参謀本部の報道官は今回の発射について「さまざまなミサイル能力や対艦精密攻撃能力を誇示する狙いがあった」との見方を示している。

 北朝鮮が弾道ミサイル技術を使用した実験を行うことは国連(UN)決議で禁止されている。

 韓国のシンクタンク「自主国防ネットワーク(KDN)」の防衛アナリスト、イ・イルウ(Lee Il-Woo)氏はAFPの取材に答え、「北朝鮮は計算ずくの挑発を行っている。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領による軍事的な対抗措置を招きかねないICBM(大陸間弾道ミサイル)の試射と核実験は避けている」と指摘した。

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-In)大統領が5月初めに就任して以降、北朝鮮は弾道ミサイルの発射実験を3回、地対空ミサイル発射実験を1回実施している。今回発射されたのが巡航ミサイルと確認されれば、5回目のミサイル発射実験となる。

 国連安全保障理事会(UN Security Council)は2日、一連のミサイル試射を受けて北朝鮮の個人や団体に新たに制裁を科す決議を全会一致で採択していた。(c)AFP