【5月29日 AFP】「正念場」だと思って臨んだ――エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領(39)は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領(70)と初めて握手した際の心境を28日の仏紙インタビューで明かし、「たとえ象徴的なものであっても、譲歩はしないことを示さないといけない」と語った。

 両首脳は25日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を前にベルギー・ブリュッセル(Brussels)の米大使館で昼食を取りながら会談したが、これに先立ち2人が交わした「握手対決」の映像はインターネット上で一気に拡散し、話題を集めた。

 トランプ氏はむやみに力強い握手で知られるが、カメラが回る中、マクロン氏は口を硬く閉じ、トランプ氏の細めた目をしっかりと見据えてきつく手を握り返した。約5秒後、最初に手を離そうとしたのはトランプ氏の方で、マクロン氏は最後まで握り続けていた。

「それですべてが決まるわけではないが、正念場だった」と、マクロン氏は仏週刊紙ジュルナル・デュ・ディマンシュ(Le Journal du Dimanche)に語った。「私は、ささいなことも見逃さない。そうやって人は尊敬を得ていくのだ」

 マクロン氏は握手対決の後にも、主体性のあるところを見せる機会を得た。同日、NATO首脳会談の式典会場でマクロン氏は真っ先にアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相に歩み寄って抱擁したのだ。あいさつを後回しにされたトランプ氏は、笑顔でマクロン氏の腕を振り回して握手し、他の首脳たちから笑いを誘った。

 マクロン氏は、トランプ氏とトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領について「力の強さという観点から考えるが、私は気にしない」と述べている。(c)AFP