【5月27日 AFP】インド北東部で、同国最長の橋が開通した。中国との国境に近い地域に開通したこの橋は、同国との国境問題を抱える印北東部の防衛強化策の一環とみられる。

 開通したのは、ブラマプトラ(Brahmaputra)川に架かる全長9.1キロのドホーラサディヤ(Dhola-Sadiya)橋。北東部のアッサム(Assam)州とアルナチャルプラデシュ(Arunachal Pradesh)州を結ぶこの橋の開通式には、就任3年目を迎えたナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相も出席した。

 インドのメディアは26日、この橋が重量60トンの戦車も通行できるという点を大きく報道した。

 専門家によると、総工費3億1800万ドル(約354億円)のこのプロジェクトは、北東部地域におけるインドの防衛力の強化につながるという。

 インド政府は、約60億ドル(約6680億円)の費用をかけてアルナチャルプラデシュ州の東部と西部を結ぶ全長2000キロの幹線道路も建設中で、さらに、この地域における新たな鉄道網の建設についても調査を進めている。

 インド政府はかつて、有事の際に中国軍に利用されるとの懸念から、中国国境付近での道路建設を認めてこなかった。

 しかしモディ首相は2014年、4056キロにわたるアルナチャルプラデシュ州の国境付近における道路と軍施設の建設に対する規制を緩和し、インドの戦略的政策の転換を示した。(c)AFP