【5月23日 AFP】かつて白人至上主義者だったものの、最近イスラム教に改宗した米フロリダ(Florida)州在住の男が、自分の新しい信仰を侮辱したネオナチ的見解をもつルームメート2人を殺害した疑いで逮捕された。

 警察発表によると、デボン・アーサーズ(Devon Arthurs)容疑者はルームメート2人の殺害を自供した後、19日に逮捕された。またアーサーズ容疑者がルームシェアをしている同州タンパ(Tampa)市のアパートメントの家宅捜査で警官が爆発物の材料を発見し、3人目のルームメートも逮捕された。

 現地紙タンパベイ・タイムズ(Tampa Bay Times)が22日に入手した警察報告によると、アーサーズ容疑者は2人を殺害した後、アパート近くの店で短時間、3人の人質をとって立てこもったという。その際、同容疑者は警察に対し、自分の新しい信仰をばかにされたため、ルームメート2人を殺害したと述べたという。

 連邦捜査局(FBI)の訴状によれば、これを受けてネオナチと特定されていたルームメート3人とアーサーズ容疑者がルームシェアをしていたアパートへ警察が捜査に入ると、3人目のルームメートでフロリダ州兵のブランドン・ラッセル(Brandon Russell)容疑者(21)が「泣きながら、明らかに動揺した」様子でそこにいた。

 捜索を行うと、爆発性の白い物質「HMTD」など爆弾の材料が見つかり、ラッセル容疑者も「未登録の破壊装置の所持および爆発物質の違法保管」の容疑で逮捕された。ラッセル容疑者のベッドルームからは、白人至上主義やネオナチのプロパガンダも見つかった。中には、米国で1995年に起きたオクラホマシティー(Oklahoma City)連邦政府ビル爆破事件の犯人ティモシー・マクベイ(Timothy McVeigh)元死刑囚(2001年に死刑執行)の写真を額装したものもあった。

 アーサーズ容疑者は、イスラム教に改宗する以前はラッセル容疑者、さらに殺害した2人とネオナチ思想を共有していたと述べている。(c)AFP