【5月21日 AFP】ベネズエラで20日、ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の退陣を求めるデモに20万人以上が参加した。

 これまでの反政府デモと同様、警察は首都カラカス(Caracas)でデモ隊に催涙ガスを浴びせた。デモ参加者は石や火炎瓶を投げ返した。

 野党連合の民主統一会議(MUD)によれば、カラカスだけでも暫定推計で約16万人が市中心部にある内務省に向かってデモ行進したという。

 西部タチラ(Tachira)州サンクリストバル(San Cristobal)では推定で4万人以上が町に出たとみられている。マドゥロ大統領は先週、暴力と略奪を終わらせるため同州への兵士2600人の派遣を命じていた。

 経済危機に見舞われているベネズエラでは食料や医薬品のほか、石けんやトイレットペーパーといった生活必需品まで不足している。

 野党は危機の責任はマドゥロ大統領にあるとし、政権交代のための選挙の早期実施を求めている。デモ参加者らは、同大統領は早期の選挙実施の要請を巧みにかわしていると話している。

 一連のデモが始まって50日目となった20日のデモは、数十万人が参加しこの7週間余りで最大だった4月19日のデモに匹敵する規模となった。一連のデモは死者47人、負傷者数百人を出したほか、2200人が拘束され、161人前後が軍事裁判で有罪判決を受けた。

 街の反対側では、約2000人の政府支持派の労働者らが歌ったり踊ったりしながらデモ行進し、憲法改正のための制憲議会をつくるという、物議を醸しているマドゥロ大統領の計画への支持を示した。(c)AFP/Alex VASQUEZ, with Sonia Vivas in San Cristobal