【5月19日 AFP】シリア中部ハマ(Hama)県東部で18日早朝、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が政府支配下の2つの村を襲撃し、政府側戦闘員と民間人に50人以上の死者が出た。在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が明らかにした。

 この襲撃で少なくとも民間人15人と政府側の戦闘員27人が死亡。さらに政府側戦闘員か地元住民か分かっていない10人の遺体が見つかったほか、ISの戦闘員15人も死亡したという。

 同監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表によると、少なくとも男性1人とその子ども2人の3人の民間人は殺害されていたが、このほかの犠牲者が殺害されたのか、戦闘の中で死亡したのかは分かっていない。

 国営シリア・アラブ通信(SANA)は、一方のアカレブ(Aqareb)村で民間人20人が死亡し、遺体の大半は頭などが切り落とされていたと伝えたが、もう一方のマブジェ(Mabujeh)村には言及していない。

 ISはアカレブ村の全域とマブジェ村の一部を占拠した。アブドル・ラフマン氏によると、政府側の増援が到着したものの、これまでのところISの撃退には至っていない。

 ISは2015年3月、マブジェ村で少なくとも民間人37人を殺害し、50人以上の民間人を拉致していた。拉致された人の約半数は女性だった。

 ハマ県中部は現在シリア政府、反体制派、ISの支配地域が混在している。IS支配地域は県東部に集中している。(c)AFP