【5月15日 AFP】オーストラリアのブリスベン(Brisbane)で、料理人が妻を殺害した上、遺体を切断・調理して隠蔽(いんぺい)を図ろうとした事件の審問が15日行われ、現場のアパートに駆け付けた警察官らは、切り刻まれ調理されている遺体を発見した当初、ハロウィーンのいたずらに巻き込まれたと勘違いしたと供述した。

 オーストラリア人シェフのマーカス・ボルク(Marcus Volke)容疑者は2014年、インドネシア出身でトランスジェンダー(性別越境者)の妻を自宅で殺害。

 アパートの管理会社から、容疑者宅から悪臭がするとの通報を受け警察が出動。駆け付けた警察官らに対しボルク容疑者は、飼い犬が逃げないようにと口実を作ってドアをいったん施錠し、その隙に逃走。同容疑者は業務用のごみ箱に隠れ、その中で自殺した。

 死因審問で供述した警察官によると、同僚と共に踏み込んだ現場アパートの床は血まみれで、調理中の鍋の中には人の足が入っていたという。

 豪ABCはこの警察官が、「当初ハロウィーンか何かの趣味の悪いいたずらのようなものだと思った。だが状況を総合的に判断したところ、いたずらなどではないと分かった」と語ったと伝えた。アパートにはひどい悪臭が漂っていたという。

 ボルク容疑者と妻は、2人が性産業に従事していた際に知り合っていた。同容疑者は事件に先立つ数週間前から、自身が抱える精神衛生上の問題を認識し治療を求めていたという。(c)AFP