【5月11日 AFP】イタリアの首都ローマ(Roma)郊外で10日、少数民族のロマ人のキャンピングカーが放火され、中にいた3人の姉妹が死亡する事件が発生した。国内に悲しみが広がっている。

 犠牲となったのは4歳、8歳、20歳の3姉妹で、放火された当時、両親や他の8人のきょうだいと就寝中だった。

 捜査当局によると、監視カメラには火の手が上がる前、1人の男がキャンピングカーに向けて瓶を投げる様子が映っていたという。

 外国人に対する憎悪によるものなのか、移動生活をしている別の家族からの恨みによる犯行なのかなどは不明。報道によると、ここ数日、地元住民から脅迫を受けていたと遺族が証言しているという。

 セルジョ・マッタレッラ(Sergio Mattarella)大統領は「恐ろしい犯罪」と糾弾し、ローマのビルジニア・ラッジ(Virginia Raggi)市長も哀悼の意を表した。ローマ法王庁(バチカン)は、遺族の悲しみを和らげ「具体的な支援」を行うため、フランシスコ(Francis)法王が司祭を派遣したことを明らかにした。

 イタリアに住むロマやシンティの人々は約17万人おり、その半数以上は定職や定住する家、市民権も持っているが、貧困層へのヘイトクライム(憎悪犯罪)が後を絶たない。(c)AFP