【5月2日 AFP】ボクシング、IBF世界ヘビー級の元王者タイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)が1日、同階級の現王者であるアンソニー・ジョシュア(Anthony Joshua、英国)に対して「片手を後ろで縛っていても勝てる」と豪語した。

 先月29日、英ロンドン(London)のウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で行われたウラディミール・クリチコ(Wladimir Klitschko、ウクライナ)とのWBA・IBF・IBO世界ヘビー級タイトルマッチで11回TKO勝ちを収めた直後、ジョシュアは同胞のフューリーに向かって「フューリー、どこにいるんだ。ベビー?」と挑発した。

 ジョシュアはベテラン選手のクリチコとは試合の前後も互いに敬意を払っていたものの、フューリーとの関係は同様にはいかず、これまで両者はののしり合いを続けている。

 フューリーは2015年11月にクリチコから劇的な判定勝ちを収め、現在はジョシュアが保持しているIBFとWBAのベルトを獲得。しかし、それ以降は実戦から遠ざかっており、精神的な問題を抱えてタイトルを手放すことになったうえに、英国ボクシング管理委員会(BBBofC)からはライセンス停止処分を受けた。

 しかしながら、フューリーは来週の聴聞会でライセンスを取り戻す可能性があり、クリチコがジョシュアとの再戦を望まなかったり、フューリーとジョシュアのどちらかが異議を唱えたりしない場合は、両者が英国人同士のヘビー級タイトルマッチで激突する流れは避けられないものとみられる。

 練習拠点にしているスペイン南部のマルベーリャ(Marbella)で英スカイ・スポーツ(Sky Sports)のインタビューに応じたフューリーは「試合が組まれそうな雰囲気だが、AJ(ジョシュア)には片手を後ろで縛っていても勝てる自信がある。クリチコと同じくらいリングからは遠ざかっているが、違うのは俺が41歳でなく28歳ということだ」とコメントした。

 さらに、ジョシュアについて「調子に乗ったウエートリフター」と呼び捨てたフューリーは、ウェンブリーでの世紀の一戦を振り返り、「素晴らしいファイトだった。すごく面白くて楽しかったし、AJに彼(クリチコ)をぶちのめせと叫んでいた」と明かした。

「クリチコが6ラウンド目で勝っていたら、今ごろみんなは何て言っていただろうな。俺は少ししかない髪をかきむしりながら叫んでいたよ。大金がふいになるのを心配していたからな。彼(ジョシュア)はダウンされても復活できるという王者としての資質を示した。激しい一発をくらっても反撃できることを証明したんだ」

 フューリーはその一方で、「世界最大のファイトが一つしかないことは、誰もが知っている。それは俺とAJのヘビー級マッチだ。ほかには存在しない」とすると、「ここにいる俺が正当な王者だ。まだ俺が世界ナンバーワン。常識だ」と主張した。(c)AFP