【5月1日 AFP】イタリア・セリエAのデルフィーノ・ペスカーラ1936(Delfino Pescara 1936)に所属するガーナ人MFサリー・ムンタリ(Sulley Muntari)が30日、カリアリ(Cagliari Calcio)戦で人種差別を受けて抗議したところ警告を受け、その後試合終了を前に自らピッチを去った。

 これまでACミラン(AC Milan)やインテル(Inter Milan)でプレーしたムンタリは、子どもまで人種差別に加わっていたと主張しており、カリアリのファンに向かって「これが僕の色だ」とさけんだという。

 32歳のムンタリは、試合終了の数秒前に自らピッチを去ったことによりダニエレ・ミネッリ(Daniele Minelli)主審からこの日2回目の警告を受けて退場となったが、追加処分を受ける可能性がある。

 試合後にムンタリは、自身に人種差別を行なったカリアリのサポーター席に向けて直接語りかけたと話している。

「彼らは試合開始から僕に向かって叫んでいた。そしてそのグループに子どもがいたのを目にした。僕はその両親のところへ行って僕のユニホームをあげたんだ。模範を示してそういった行為をすべきではないと伝えるためにね」

「僕はその理由を彼らに話そうとしたが、審判は僕にやめるよう言ってきた。だからカッとなってしまったんだ。なぜ彼は試合を止めなかったんだ?」

「僕は被害者ではないけれど、もし審判が試合を止めて入れば、こういったことはそれ以上起きなかったと確信している」

「もうたくさんだ!」とつぶやきながらピッチを後にしたムンタリは、サポーターに対して自身の腕を見せながら「これが僕の色だ。これが僕の色だ」とさけんでいた。

 ペスカーラのズデネク・ゼーマン(Zdenek Zeman)監督は、ムンタリの抗議に理解を示しているが、伊スカイ・スポーツ(Sky Sport Italia)に対し、試合中にピッチを後にするべきではなかったと話している。

「彼は審判に試合を止めるよう求めたが、審判は何も聞いたり見たりしていなかった。ムンタリの主張は正しかったが、自らピッチを去るべきではなかった」 (c)AFP