【4月24日 AFP】世間を驚かす政治活動、慣習にとらわれない結婚、フランスを現代化させるという公約──。フランス大統領選では、そんな経歴を持つ中道系独立候補のエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)前経済相(39)が決選投票への進出を確実にした。

 マクロン氏が決選投票を制すれば、フランスの現代史上、最年少の大統領が誕生することになる。公職選初出馬でもある同氏が当選すれば、有権者が強大な権限を持つ大統領の選出で経験を重視してきたフランスの伝統を覆す形ともなる。

 マクロン氏は経済相在任中の昨年4月に中道政治運動「前進(En Marche)」を立ち上げた。同8月には、運動に専念するため、不人気な社会党フランソワ・オランド(Francois Hollande)政権を去る決断をした。

 同11月に大統領選への立候補を表明。その際にパリ(Paris)郊外の職業訓練センターで行った演説では「同じ男たちと同じ思想では対処できない」と訴えた。

 以来、連日のようにニュースの見出しに登場。「前進」も、都市部の若い知識層以外には支持を広げられないだろうという一部の予想を裏切り、参加者が25万人を超えるまでに成長した。

 マクロン氏は選挙戦を通じて、フランスは「逆張り」をすると主張。世界中で右派ナショナリストが勢力を増す中で、国民は欧州連合(EU)支持、グローバリゼーション支持のリベラルを選ぶ意志があると説いた。

 政界のアウトサイダーに位置づけられるマクロン氏だが、フランスのエリートコースを歩んできた秀才でもあり、リーダーを多数輩出しているフランス国立行政学院(ENA)をはじめ複数の高等教育機関に学んでいる。

 その後、投資銀行界に入り、ロスチャイルド(Rothschild)系の銀行で数百万ユーロを稼いでいる。2012年にオランド大統領の経済顧問に就任し、2年後に経済相に起用された。