【4月23日 AFP】イングランドFAカップ(FA Cup 2016-17)は22日、準決勝が行われ、チェルシー(Chelsea)はエデン・アザール(Eden Hazard)が終盤に勝ち越しゴールを挙げてトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)から4-2の勝利を収め、決勝に進出した。

 チェルシーを率いるアントニオ・コンテ(Antonio Conte)監督は、サウサンプトン(Southampton FC)との重要なリーグ戦が25日に迫っているため、アザールとジエゴ・コスタ(Diego da Silva Costa)をベンチスタートにするという賭けに出たが、この大胆な策が結果的には功を奏した。

 まずはアザールに代わって起用されたウィリアン(Willian Borges da Silva)が序盤に先制点をもたらすと、ハリー・ケイン(Harry Kane)にすぐさま同点とされたものの、ウィリアンが勝ち越しのゴールを決めた。

 トッテナムもその後、デレ・アリ(Dele Alli)のゴールで再度追いついたが、チェルシーは切り札として投入されたアザールが見事に期待に応え、再び勝ち越しに成功。最後はネマニャ・マティッチ(Nemanja Matic)の強烈なミドルシュートで突き放し、優勝した2012年以来となるFAカップの決勝に駒を進めた。

 アザールは、「サッカー選手ならすべての試合に出たいと思うものだけど、監督は素晴らしい選択をした。起用したウィリアンが2点を決めたわけだからね」と話した。

「こういう試合に勝つのはいつだって気持ち良い。ロンドン(London)のチームとの準決勝で、ファンにとっても良かった。僕にとっては5年間チェルシーにいて、初めての決勝だからうれしいよ」

 リーグ戦では2位のトッテナムに勝ち点4差まで迫られ、また完敗した前週のマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)戦の後は落ち込んだ様子も見せていただけに、チェルシーの選手にとって、この勝利は気持ちの部分で大きな自信になると思われる。

 この試合では何回か幸運に助けられる場面もあったものの、大事な場面で物足りなかったライバルに対し、ゴール前での決定力の高さを見せつけた。

 一方、またしてもウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で勝てなかったトッテナムは、1991年以来となるFAカップ決勝進出はならなかった。こちらも26日に敵地でのクリスタルパレス(Crystal Palace)戦が待っており、チェルシーからリーグ優勝のタイトルを奪って雪辱を果たすためにも、素早い切り替えが求められる。(c)AFP/Steven GRIFFITHS