【4月21日 AFP】ロシア最高裁判所は20日、キリスト教団体「エホバの証人(Jehovah's Witnesses)」の活動を禁止し、資産を押収する判決を下した。法務省は同団体を「過激派組織」とし、解散させるよう求めていた。

 最高裁は、ロシアは「エホバの証人の本部と傘下の地方組織」の閉鎖と「資産の没収」を決めたとした。

 法務省はこれに先立ち、同団体内での「過激主義的な行動」の兆候をつかんだと発表し、活動の禁止を求めていた。また、国内報道機関によれば、同省当局者は「(エホバの証人は)国民の権利および社会の秩序、治安に対する脅威になっている」と述べている。

 ロシア各地に395か所の拠点を持つエホバの証人は最高裁の決定を不服とし、欧州人権裁判所(European Court of Human Rights)への提訴も辞さない構えを見せている。

 同国の主要宗派であるロシア正教会(Russian Orthodox Church)はエホバの証人に批判的な立場を取っており、ある教会関係者は先月、同団体を「破壊的な宗派」と呼んでいた。

 地元メディアによると、中部ニジニーノブゴロド(Nizhny Novgorod)州ゼルジンスク(Dzerzhinsk)では1月、エホバの証人の地元指導者が、過激主義的な物品を配布したとして当局から罰金を科されている。(c)AFP