【4月19日 AFP】エジプト南部ルクソール(Luxor)の近くにある3500年前の墓を調査していた同国の考古学チームが、少なくとも8体のミイラと、色鮮やかな木棺、1000体を超える埋葬品の像を発掘した。同国の考古相は「重要な発見」と称賛している。

 同国考古省の18日の発表によれば、墓は第18王朝時代のもので、有名な王家の谷(Valley of the Kings)に近いドゥラ・アブル・ナガ(Draa Abul Nagaa)墓群で発見された。

 墓の主は市裁判官を務めたウセルハト(Userhat)という高官。発掘チームを率いたモスタファ・ワジリ(Mostafa Waziri)氏による現地での説明によると、この墓は約3000年前の第21王朝時代、追加のミイラを納めるために開かれたことがある。当時は盗掘が広まっていた時期で、これらのミイラを守るための措置だったという。

 同国のハリド・アナニ(Khaled el-Anany)考古相は墓の外で記者らに対し「われわれは1000体を超える大量のウシャブティ(小彫像)を発見した」と説明。「これは重要な発見だ」と述べた。

 ウシャブティは、死後の世界で被葬者の労働を助けるためのもので、古代エジプトの墓で共に埋葬されることが多かった。

 考古省によれば、墓ではもう一つの部屋も見つかっているが、発掘はまだ完了していない。同省報道官は、墓には「今後、新たにミイラが見つかる可能性を示す証拠と痕跡がある」と述べている。(c)AFP