【4月14日 AFP】イタリア・セリエAのACミラン(AC Milan)が13日、ロッソネーリ・スポーツ・インベストメント・ルクセンブルク(Rossoneri Sport Investment Lux)に売却されたことにより、サン・シーロ・スタジアム(San Siro stadium)で15日に行われるインテル(Inter Milan)とミランの試合では、中国資本の『ミラノダービー』が初めて実現することになる。

 中国資本グループが7億4000万ユーロ(約900億円)でミランを買収したことで、31年間で計29個のタイトルを獲得したシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)氏の時代にピリオドが打たれた。

「ACミランの一番のファン」を自称するベルルスコーニ氏は、「クラブを離れるのは複雑な気持ちだが、この感情を忘れることはないだろう」とコメントし、15日の試合ではファンから大喝采を受けることを期待していると明かした。

 2010年に欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2009-10)、セリエA、イタリア杯(Italian Cup 2009-10)の三冠を達成したインテルは、2016年に中国の億万長者である張近東(Zhang Jindong、ザン・ジンドン)氏が率いる蘇寧(Suning)グループに買収された。

 クラブの発表によると、張氏はインドネシア出身の実業家エリック・トヒル(Erick Thohir)氏から2億7000万ユーロ(当時約330億円)でインテルを買収したとされている。トヒル氏は2013年10月、マッシモ・モラッティ(Massimo Moratti)氏からインテルを買い取っている。

 イタリア元首相のベルルスコーニ氏は、1986年にミランを買収するとクラブ史に残る輝かしい成功を収めたが、ここ数シーズンは低迷が続いており、昨年8月にクラブを売却する意向を明かしていた。

 ベルルスコーニ氏の下でミランは、チャンピオンズリーグを5度、セリエAを8度、イタリア・スーパーカップ(Italian Super Cup)を7度、UEFAスーパーカップ(UEFA Super Cup)を5度、インターコンチネンタルカップ(Intercontinental Cup)を2度、イタリア杯(Italian Cup)とクラブW杯(FIFA Club World Cup)を1度ずつ制している。

 インテルがホームとなる15日のミラノダービーで勝利したチームは、来季のヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2017-18)出場権獲得に前進する。

 首位ユベントス(Juventus)と20ポイント差の6位につけるミランは、ヨーロッパリーグ出場圏内の最後の一枠につける5位アタランタ(Atalanta)を勝ち点2差で追っている。インテルはミランと2ポイント差の7位につけており、15日の試合に勝利すれば6位に浮上する。

 ミランは昨年12月にカタール・ドーハ(Doha)で行われた試合でユベントスに勝利し、イタリア・スーパーカップ(Italian Super Cup 2016)のタイトルを獲得しているが、リーグ優勝に関しては現在ユベントスで指揮を執るマッシミリアーノ・アレグリ(Massimiliano Allegri)監督がチームを率いていた2011年から遠ざかっている。(c)AFP