【3月27日 AFP】オーストラリアの研究者らは27日、同国西部の海岸地帯で異なる21種の恐竜の足跡が発見されたと発表した。研究者らはこの発見について「前代未聞」の規模であるとし、映画『ジュラシック・パーク(Jurassic Park)』の世界さながらだと評している。

 豪クイーンズランド大学(University of Queensland)とジェームズ・クック大学(James Cook University)の古生物学者らは、ウエスタンオーストラリア(Western Australia)州キンバリー(Kimberley)にある1億4000万年ほど前の地層で発掘調査を実施。この種の発見としては一度に最も多くの種類の足跡が見つかった例だとしている。

 米国の古脊椎動物学会(SVP)の学会誌に発表された論文の主執筆者であるスティーブ・サリスベリー(Steve Salisbury)氏は、発見された足跡について「世界でも類を見ない」と語り、「豪西部において非鳥類型恐竜が存在していたことを示す証拠としては最重要のもの」と位置づけた。その上で、同地域は「雄大な自然を誇るオーストラリアのジュラシック・パークともいえる、大変魅惑的な地帯だ」と述べた。

 サリスベリー氏はさらに、「足跡はステゴサウルスのものと確認されたもの以外にも、記録があるなかで最大級の大きさのものある」と明らかにした。

 足跡が見つかった地域は、ウエスタンオーストラリア州政府が2008年に液化天然ガスの生産地域として指定し、開発の手が加えられるところだった。しかし、この地域を伝統的に管理・保護してきた豪先住民アボリジニのグーララブールー(Goolaraboolo)の人々がサリスベリー氏に掛け合い、正式な調査が実施されることになった。調査チームは恐竜の足跡が見つかった地域での調査と記録に400時間以上を費やしたという。(c)AFP