【3月8日 AFP】内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」は7日、米中央情報局(CIA)から入手したとする大量の文書を公開した。CIAがテレビなどを盗聴器に使ったり、人気メッセージアプリの暗号を回避したり、車を遠隔操作したりできるハッキングツールを多数作成していることが明らかになったとしている。

 ウィキリークスはこれらの文書を基に、CIAは米政府最大の電子スパイ組織・国家安全保障局(NSA)に比べて監視活動の面では劣るが、サイバー戦争に関してはそれに匹敵することが分かったと指摘している。

 ウィキリークスは今回、CIAのものとする9000点近い文書を公開。機密情報資料の公開としては史上最大規模だという。

 CIAの報道官は「文書の信ぴょう性や内容についてはコメントしない」としている。

 ウィキリークスは公開した文書から、CIAがウイルスやトロイの木馬(Trojan Horse)をはじめ、標的とする電子機器に侵入して乗っ取るマルウエア(悪意のあるソフトウエア)を1000以上作成してきたことが判明したと説明。

 これらのハッキングツールは米アップル(Apple)の「iPhone(アイフォーン)」や、米グーグル(Google)のアンドロイド(Android)を搭載した携帯端末、米マイクロソフト(Microsoft)のソフトウエア、韓国サムスン電子(Samsung Electronics)のスマートテレビなどを標的としており、こうした機器を隠しマイク代わりにできるとしている。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は現在もアンドロイドの私用電話を使っているとされる。

 CIAはさらに、乗用車やトラックの電子制御システムに対するハッキング実験も行っており、こうした車載システムの乗っ取りもできる可能性があるという。(c)AFP/Paul HANDLEY